KAJIYA BLOG

人文系大学教員の読書・民藝・エッセイブログ

2022-01-01から1ヶ月間の記事一覧

『プロ倫』から神秘主義を経て民藝論にいたる

その後も学生たちと『プロ倫』を読み続けている。ちょうど第二章に入ったところで、いよいよ禁欲的プロテスタンティズムの分析に入るところだ。 この本を読みながらつくづく思うのは、欧米の学問にはキリスト教の知識が必要不可欠ということ。宗教改革とカト…

カズオ・イシグロの言葉

カズオ・イシグロがノーベル文学賞を受賞したのは2017年のこと。すでに5年も前のことである。 今では日本中にこの作家のファンがいる。日本にルーツを持つということで、日本人ノーベル賞受賞者として大きな話題を呼んだ。ただ、私がこの作家のことを気にす…

もし、本をどうやって読んだら良いかわからない、と大学一年生に問われたら

大学生がなかなか本を“読まない”と言われて久しい。すでに一般論になってしまっているし、月の読書時間が0分という学生が50%近いというデータ*1もあるから、ひとまずそういう前提で考えてみたい。 ところで、このブログ記事では「読まない」ということと「…

禁欲についてープロ倫からミニマリズムへ

昨年の末頃から、教え子たちと語らって読書会を始めた。強要したわけではなく、どちらからともなく始めてみようかという話になってのこと。私も大学生の頃、いろいろな読書会、勉強会に参加していたが、今もこういう学生がいるんだな、と懐かしい気持ちにな…

一日一冊主義という修行

学生時代、一日一冊本を読むと決めて過ごしていた時期がある。もう30年近くも前、大学3年の頃のことだ。 読書は当時から好きだったけれども、どちらかと言えば、自分の無知に対するコンプレックスから始まったチャレンジだった。とにかく何かの知識が得られ…

古い新書

年末年始も読書三昧。午前中、読書をして過ごし、昼食後、書店に行って本を物色する。購入した本をカフェでしばし読み、帰宅して続きを読む。大変幸せな毎日である。 年が改まって、書店の雑誌、新書コーナーには、早速大河ドラマの主人公である北条義時の文…