KAJIYA BLOG

人文系大学教員の読書・民藝・エッセイブログ

読書論

人文社会学はスローシンキングで

社会学者・森真一氏の『スローシンキング 「よくわかっていない私」からの出発』という本を読んで改めて考えた。 本書で森氏はご自身の授業準備のプロセスを紹介しながら、社会学とはゆっくり考える学問だと主張する。スローフードになぞらえ「スロー社会学…

もし、本をどうやって読んだら良いかわからない、と大学一年生に問われたら

大学生がなかなか本を“読まない”と言われて久しい。すでに一般論になってしまっているし、月の読書時間が0分という学生が50%近いというデータ*1もあるから、ひとまずそういう前提で考えてみたい。 ところで、このブログ記事では「読まない」ということと「…

一日一冊主義という修行

学生時代、一日一冊本を読むと決めて過ごしていた時期がある。もう30年近くも前、大学3年の頃のことだ。 読書は当時から好きだったけれども、どちらかと言えば、自分の無知に対するコンプレックスから始まったチャレンジだった。とにかく何かの知識が得られ…

古い新書

年末年始も読書三昧。午前中、読書をして過ごし、昼食後、書店に行って本を物色する。購入した本をカフェでしばし読み、帰宅して続きを読む。大変幸せな毎日である。 年が改まって、書店の雑誌、新書コーナーには、早速大河ドラマの主人公である北条義時の文…